2014年3月16日(日)午後2時~
会場:
東京オペラシティ 近江楽堂

ご挨拶:
 春のア-リ-ミュ-ジック・コンサ-ト(EMC)にご来場頂き、ありがとうございます。
プロ、アマが一堂に会して演奏するこのEMCもお陰様で6回目を迎えました。
本日は初めての試みで、ホ-ル・コンソ-トでの演奏があります。その第一号はルネサンス・フル-トです。
今後のEMCでは他の楽器によるホ-ル・コンソ-トの演奏も期待されます。
 今年の11月8日(土)に当協会NPO法人発足15周年イベントを四ツ谷の絵本塾ホ-ルで開催する予定ですが、次回のEMCはこの15周年イベントに組み込まれています。
お時間がございましたら、お出かけいただければ嬉しく存じます。
近くなりましたら、当協会HP(http://www.nporenaissance,org)をご覧下さい。
 本日のプログラムはルネサンス音楽の先駆けとなったデュファイからバロックの重鎮バッハまで幅広いレパ-トリ-になっています。
どうぞ、ごゆるりとご鑑賞下さい。

特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
理事長 増子 昭夫
出演者と演奏曲目:

佐野さおり (ドルチェ・メロス、オルガネット)
あまね伶 (クラヴィシンバロン、ジャンベ)
中東に起源を持つ多弦楽器から、鍵盤楽器への過渡期に設計された幻の楽器2台が出会いました。アンリ・アルノーの夢が、21世紀の極東で実現するとは、当時、誰が予想できたでしょうか。
*二重奏
Bianco Fiore 白い花…Cesare Negri 
Alba Novella 新たな夜明け…Fabritio Caroso
Spagnoletto スパニョレット…Cesare Negri
Spagnoletto スパニョレット…Fabritio Caroso
Siciliana シシリアーナ…Ottorino Respighi
*ドルチェメロス独奏 佐野さおり 
Non avrà mai pietà questa mia donna
この女性(ひと)の嘆きより深いものはない
*クラヴィシンバロン独奏 あまね伶
 Che pena è quest' al cor この胸の苦しみを....
…2曲ともCodex Faenza ファエンツァ写本より (原曲はF.Landini F.ランディーニ作曲)
*二重奏
Pavana la Cornetta (作者不詳)  コルネットのパヴァーナ 
Lamento di Tristano e La Rotta トリスタンの嘆き と ラ・ロッタ
ドルチェ・メロス Dulce Melos
現存する最古の鍵盤楽器設計図といわれる、医師アンリ・アルノーによる1440年頃の手稿に、ドルチェ・メロスという未知の楽器の記述がある。おそらく歴史上最古の打弦鍵盤楽器であろうと推察されるも、現物は残っておらず実態は不明であり、推測による復元を試みた。もしも当時実在したならば、なんと600年前にピアノの原型が発明されていたことになる。(久保田彰)
クラヴィシンバロン Clavisimbalum
上述のアンリ・アルノーによる手稿を元に、プレクトラムによる撥弦式の発音機構を採用した姉妹楽器。クラヴィシンバロンはラテン語で、後に(クラヴィ)チェンバロ、クラヴサン、ハープシコードと呼ばれる、より大型の鍵盤楽器に発展した。天正遣欧少年使節団が持ち帰ったクラーボCravoと呼ばれる鍵盤楽器の可能性も否定できない。イギリスのチェンバロ工房による復元であるため、後世のチェンバロに見られる調整機能等も付け加えられている。

松田しのぶ (ソプラノ)
上島剛之助 (ルネサンス・リュート) 佐野さおり (チェンバロ)
1. Tu ch'hai le penne, Amore 翼を持つ愛の神よ…Giulio Caccini (リュート伴奏)
2. Quia Respexit 『マニフィカート』より第3曲マリアの賛歌(いやしきわが身、はしためをも)
…J.S. Bach (チェンバロ伴奏)
3. Ave Maria アヴェ マリア…J.Arcadelt (リュート伴奏)
4. Ave Maria アヴェ マリア…V.Vavilov ~伝 Giulio Caccini (リュート伴奏)
1. 私の心があるところに飛んでいってください。もし道が分からなければ私の溜め息と一緒に飛び立ってくださいと愛の神にお願いする甘い恋の歌です。
2. 歌詞はルカによる福音書に記された「マリアの賛歌」が基になっています。大天使ガブリエルによって受胎を告知されたマリアがエリザベツの祝福を受け、「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主なる神を喜びたたえます」と神を賛美する場面です。
3. たくさんのアヴェマリアがありますが、近江楽堂のマリア像をみたとき、アルカデルトのアヴェマリアが一番ぴったりだと思いました。母の胎を彷彿とさせる近江楽堂の雰囲気にも一番合うのではないかと思っています。近江楽堂のアヴェマリアに寄せて、今回3曲のアヴェマリアを選びました。
4. アヴェマリアのアヴェとは「喜びなさい」という意味で大天使ガブリエルがマリアに受胎の知らせを告げたときの言葉です。マリアの喜びと、これからマリアに訪れる苦しみが、ト短調の調べに美しく織りなされている曲だと思います。

ルネサンス・フルート コンソート  熊澤美華子  山田豊  国枝俊太郎
1. Sa la face ay pale 私の顔が蒼ざめているのは…デュファイ
2. Ile fantazies de Joskin ジョスカンのファンタジー…ジョスカン デ プレ
3. Fortuna desperata  絶望的な運命の女神よ…ジョスカン デ プレ
4. Douce memoire 甘い思い出…サンドラン(編曲ガルダーノ)
5. Joyssance vous donneray あなたに喜びを与えよう…セルミジ(編曲ガルダーノ)
6. Au pres de vous あなたを秘かに想う気持ち…セルミジ(スザート編)
ルネサンス時代には同族楽器による合奏、いわゆるホールコンソートが盛んに行われていました。特に、ヴィオラ・ダ・ガンバ,リュート,リコーダーなどによって、好んで演奏されていたようです。では、フルートはどうでしょうか? 当時の絵画などでは、歌に、フルート、リュートなどの組み合わせで演奏を楽しむ光景はよく目にしますが、フルートコンソートの姿を見ることはできません。それは、この楽器の特性からアマチュアが気軽に楽しむというより、ある程度熟達した演奏家たちが宮廷などで披露するなど、その機会がごく限られており、そして、おそらくテナー3本とバス1本による4声からなる世俗歌曲を演奏するのが一般的であったと思われます。そこで、この編成で練習を積み重ねて参りましたが、残念ながらメンバーの一人がやむを得ぬ事情で参加できなくなり、急遽、プログラムを変更させていただきましたこと、ご容赦ください。

乙顔有希 (ソプラノ)
上島剛之助 (ルネサンス・リュート)
1. Come ye heavy states of night 深き夜のしじまよ
2. Come away,come sweet love おいで いとしいひと
3. I saw my lady weep あの人が泣くのを見た
4. Fine knacks for ladies ご婦人方 小間物はいかが
5. In darkness let me dwell 暗闇にわたしはすみたい  …J.Dowland ジョン・ダウランド
昨年、生誕450周年を迎えたイギリスの作曲家、リュート奏者のJohn Dowland(1563-1626)。その生涯で、4巻のリュート伴奏付き歌曲集を出版しました。彼の息子が出版した歌曲集の中の3曲を含め、全86曲の歌曲が残されています。 今日は、その中から5曲選びました。 父親を亡くした者の歌/恋人同士の歓びの歌/憧れの人が泣く姿を見た時の歌/貧しい行商人の歌/絶望した者の歌。 それぞれ違った魅力のある曲です。お楽しみいただけたら幸いです。

i Madrigalisti (イ・マドリガリスティ=声楽アンサンブル)
岡本 浩美 小柴 裕子 山田 佳子 柳川 文男 住田 朋久 森田 牧朗 村井 信吾
1. Ecco mormorar l'onde (波はささやき)
…曲:Claudio Moteverdi (1567-1643) 詩:Torquato Tasso (1544-1595)
2.Italia mia(我がイタリア)
…曲:Philippe Verdelot (1475-1552) 詩:Francesco Petrarca (1304-1374)
3. Missa "Che fa oggi il mio sole" (私の太陽は今日何をするのだろう)より「Credo」
…曲:Gregorio Allegri (1582-1652)
2008年に結成した声楽アンサンブルです。ルネサンス時代の様式感を大切に、歌詞のイメージを的確に自分たちの感性で表現できる事を目的に研鑽しています。小酒井貴朗先生の指導のもと、主にモンテヴェルディ、マレンツィオなどのイタリア・ルネサンスの世俗曲をレパートリーにしています。現在メンバー募集中です。
練習場所は新宿区。毎週火曜日夜7時半から。興味のある方は kosakai@gmail.com までご連絡ください。
Ecco mormorar l'onde (波はささやき)は、朝日が昇り、夜明けから目覚める自然の美しさと詩人のタッソーが恋していたラウラへの賛美を歌う、モンテヴェルディの代表的マドリガーレの一曲です。 Italia mia( 我がイタリア)は、ペトラルカが祖国イタリアへの熱き真情を吐露する詩です。当時の荒廃した治世を嘆き、詩人である彼自身の言葉によって神に慈悲を請い、再興を願って詠っています。
Missa "Che fa oggi il mio sole"(私の太陽は今頃何をしているだろう)はアレグリがマレンツィオの同名のマドリガーレをもとに作曲したパロディミサです。今回はクレドを演奏いたします。

大島徳彦 (フラウト・トラヴェルソ)
奥山裕司 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
平田  恵 (チェンバロ)
Trio Sonata in D Major op 2-8  トリオソナタ ニ長調 作品2-8番
Adagio-Allegro-Sarabanda-Allegro assai
アダージオ-アレグロ-サラバンド-アレグロアッサイ
…Jean-Marie Leclair  ジャン マリー ルクレール(1697-1764)
ルクレールはフランスのリヨン出身のヴァイオリニスト兼、舞踏家です。
パリのコンセール・スピリテュエルの出演から名声を得て、後にルイ15世の宮廷音楽家として活躍をし、多くの室内楽作品を生み出しました。取り分け、「ヴァイオリン・ソナタ集」の第1巻 作品1、第2巻 作品2、第3巻 作品5、第4巻 作品9が知られています。
彼はイタリア・バロック・ソナタ様式をフランス様式と融合させたことでも有名です。この曲は第2巻の第8番にあたり、48曲中唯一のヴィオラ・ダ・ガンバを含むトリオ・ソナタになっています。
他のソナタ集の様式と同様に4楽章構成の教会ソナタ(緩・急・緩・急)で書かれ、緩徐楽章にサラバンド舞曲が挿入され混合様式となっています。
第1楽章は厳かな付点音符主題が各パートに受け継がれ応答します。アタッカで第2楽章に繋がれ、軽快なフガート主題が各パートを駆け巡ります。第3楽章は哀愁の旋律が付点音符で歌われポリフォニックにさまよい続けます。第4楽章はタンブーラン風の躍動感溢れる舞踏リズムが音形を変化させて駆け巡ります。


主催:
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会

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第5回 秋のアーリーミュージック・コンサート
秋の午後、いにしえの響きとともに
2013年11月4日(祝月) 午後2時~
会場:
東京オペラシティ 近江楽堂

ご挨拶:
第5回秋のア-リ-ミュ-ジック・コンサ-トにようこそ。

  いつも当協会のNPO活動にご理解とご協力、そしてご支援を賜り、誠にありがとうございます。
当協会会員のプロ、アマ演奏家が一堂に会するNPOらしいコンサ-トも回を重ねる毎に深みを増して参りました。出演者の演奏をじっくり聴いて頂こうと前回より6組に絞って演奏頂きましたが、今回も6組に絞り、ルネサンスからバロックまで幅広いレパ-トリーを演奏して頂きます。どうぞ、昼下がりのひと時、ごゆるりとご鑑賞頂きたいと存じます。

 次回のア-リ-ミュ-ジック・コンサ-トは来年3月16日(日)東京オペラシティ・近江楽堂にて、午後2時より開催の予定です。まだエントリ-受付中です。

  皆様のご参加、ご来場をお待ちしております。
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
理事長 増子 昭夫
出演者と演奏曲目:

奥山 裕司(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
西田 都(チェンバロ)
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第2番 BWV1028
 Adagio/Allegro/Andante/Allegro …J.S.Bach

J.S.Bachの作曲した3曲のガンバ・ソナタのなかでは、第2番が一番気に入っています。 ご承知のとおり、チェンバロの右手と左手とガンバでトリオになっています。その掛け合いを 楽しんでいただけたらと思います。(奥山)

山田 豊(ルネサンス・フルート)
上島 剛之助(ルネサンス・リュート)
1. 若い娘 Une jeune fillette…作者不詳
2. あなたへの想い Au pres de vous…セルミジ Claudin de Sermisy
3. 愛 死 そして生 L’amour, la mort la vie…ジャヌカン Clement Janequin
4. 流れよ涙 Flow my tears/悲しみの涙 Lachrimae Tristes…ダウランド John Dowland
5. 甘い思い出 Doulce memoire…サンドラン Pierre Sandrin

ルネサンス時代には,歌に,フルート、リュートを加えた形での演奏が好まれ、絵画などにも描かれています。本日は,相性の良い二つの楽器による、ルネサンス後期の代表的なシャンソンなどをお届けします。「若い娘」は修道院に無理やり入れられた女の子の心模様。自作ディビジョン付き。 「あなたへの想い」秘かに恋するこの気持ち,もう鎮めることはできません(後略)。 「愛 死そして生」(朗読します) ダウランドは「流れよ涙」が大ヒットしたことを受けて、さまざまな涙の形を描いた「七つの涙」を器楽用に編曲した。 「甘い思い出」喜びに満ちた甘い思い出。(中略)良いことは終わり,たちまち悪いことが始まる。(山田)

i Madrigalisti(イ・マドリガリスティ=声楽アンサンブル)
岡本 浩美  小柴 裕子  山田 佳子  住田 朋久  立石 章  村井 信吾
1. Che fa oggi il mio sole(私の太陽は今日何をするのだろう)
曲:Luca Marenzio (1553-1599)
2. Missa "Che fa oggi il mio sole"(私の太陽は今日何をするのだろう)より「Sanctus」
曲:Gregorio Allegri(1582-1652)
3. Non sono in queste rive(この岸辺にはない)
曲:Claudio Monteverdi (1567-1643)  詩:Torquato Tasso (1544-1595)
4. Baci soavi e cari(甘く優しいキス) 
曲:Claudio Monteverdi (1567-1643)  詩:Battista Guarini (1538-1612)

マレンツィオのマドリガーレ "Che fa oggi il mio sole”(私の太陽は今日何をするのだろう)と、 アレグリによる同名タイトルのパロディミサからSanctusを抜粋して演奏します。
原曲は、愛しの女性を讃えるために自分の歌声で足りるのだろうか、彼女の美しい髪に相応しい花輪のためにスミレの花束を捧げようと歌います。

Non sono in queste rive(この岸辺にはない)は、愛する女性を讃え、心地よい彼女の歌声を遮るのは自分たちのキスだけであると、後半の軽快なリズムによって表現しています

Baci soavi e cari(甘く優しいキス)は、彼女のキスは自分の人生を豊かにして心は奪われ、バラのような唇によって甘き死を所望したいと陶酔した情感に満ちている、モンテヴェルディらしさに満ちた名曲です。


司会のあまね伶さん


~ 休 憩 ~
<Songe de Valois ソンジュ ドゥ ヴァロア>   
樋口 麻理子 (ソプラノ)
佐野 さおり (オルガネット)
渡辺 マリ  (ヴィエル)
長谷川 敦子 (ヴィオル)
1. 《Mille regrets》千々の悲しみ…Josquin des Préz(1450/55頃-1521) ジョスカン・デ・プレ
2.《Je suis d'Allemagne》ドイツから来たよ…Anon. 作者不詳
3.《Tristre plaisir》 悲しきよろこび …Gilles Binchois(1400頃-1460) ジル・バンショワ
4.《Par droit》わけあって…Guillaume Dufay(1397頃-1474) ギョーム・デュファイ

14~15世紀フランス、ブルゴーニュのヴァロワ家から始まった宮廷文化は、 パリのフランス王家をしのぐほど盛んでした。当時の騎士道に基づく洗練された愛のお作法に、歌と器楽の演奏で、思いをはせてみたいと思います。
《Mille regrets》 パヴァーヌ 「千々の悲しみ 愛しいあなたとの別離 苦悩はあまりに深く私の命は果ててしまうだろう」
《Je suis d'Allemagne》 1480年頃の3声のシャンソン (本日は器楽による演奏)
「ドイツから来たよ 父も母も兄弟たちみんな いなくなっちゃって 一人ぼっちなんだ」
《Tristre plaisir》 Alain Chartier(1385-1433)の詩によるロンドー
「悲しげな楽しさ つらい喜び 苦悩のあとには もの憂い慰めが残るだけ」
《Par droit》 ロンドー  「嘆いたり 呻いたりしたっていいではないか 私は喜びと楽しみから見放されてしまっているのだから」

吉岡 良治(ヴィウエラ・デ・マーノ)
1.ファンタジア第12番(ラソラミファミ旋律による第4旋法)
2.ビリャンシーコ「告げてくださいあの騎士に」
3.ファンタジア第20番(4声の第6旋法)
4.ファンタジア第6番(ラソファレミ旋律による第4旋法) …以上 ディエゴ・ピサドール

 ピサドールは1552年に,スペインのサラマンカで7巻のヴィウエラ曲集を出版しました。父子,兄弟間のゴタゴタで,校正に時間が取れなかったためか,印刷譜面にはミスプリが目立ちます。

 作風は学究肌です。ファンタジアは26曲あり,練習曲的な最初の2曲を除いて難曲です。前半12曲は,特定の施律を,リズムを変え,声部を超えて繰り返す手法をとります。中でも第6番は音遊びとして傑作で,第12番は静寂感に包まれています。後半12曲は,これにとらわれずたくさんのテーマをつめこんだため,まとまりを欠く曲もありますが第20番は例外です。
 他に約3分の1を占めるジョスカン・デ・プレのミサ曲を中心とする宗教曲編曲,民謡編曲,ヴィウエラ伴奏歌曲があります。宗教曲については,原曲を置き換えただけで,本当に演奏したのかは疑問です。しかし,演奏しないものに大金をはたいて出版するはずもないので,ルネサンス人の演奏スタイルや音感覚,それにヴィウエラの楽器性能は今とはかなり違っていたのかもしれません。本日は編曲された民謡1曲だけ取り上げます。

豊田 結実子(ソプラノ)
上島 剛之助(ルネサンス・リュート)
1.Come again (さあ もう一度 愛が呼んでいる)
2.Come, heavy sleep (来たれ 深い眠り)
3.Me,me, and none but me(誰よりも この私を)
4.Who ever thinks or hopes of love (愛を望む者)
5.I saw my lady weep (僕は見た あの人が泣くのを)
6.Now,o now, I needs must part (今こそは別れねば)

ジョン・ダウランド(1563-1626)John Dowland ルネサンス時代のイギリスに活躍した作曲家、 リュート奏者。泣き・嘆きをモチーフにした曲が多い。今年生誕450年を迎える。

「Come again」は別れた恋人に「もう一度甘い愛を」と呼びかけ、結果的には失恋してしまうものの、 その明るさから様々なスタイルで演奏されている曲。
「Come, heavy sleep」は穏やかで静かな曲調ながら、「おいで、甘い眠り。さもなくば私は死のう」 という眠りから死を願う絶望に溢れた歌詞。
「Me,me, and none but me」は独特の静謐さのある曲で「誰よりも私を休息の家へ送り出してくれ。 死を愛する者こそ幸せに生きられるのだ」と歌う。
「Who ever thinks or hopes of love」は舞曲のリズムで出来ており、リュートの軽快な伴奏と 歌の明るさのある曲。
「I saw my lady weep」は、リュートと歌の透明感から傑作とも言われる。「もう泣くのは十分だ。 嘆きはあなたの美を台無しにしてしまうから」と慰めをもった歌詞。
「Now,o now, I needs must part」は恋人同士の別れを歌ったメランコリックな曲で、 「別れが罪なら、あの人こそが罪を作ったのだ」と歌う。

主催:
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会

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2013年3月20日(祝水)午後2時~
会場:
初台 東京オペラシティ・近江楽堂
ご挨拶:
 厳しい冬もやっと過ぎ、春の到来です。
 古楽普及のNPOならではのプロ、アマが一堂に会するア-リ-ミュ-ジック・コンサ-トにご来場頂き、まことにありがとうございます。早いもので、一昨年秋にスタ-トしたこのコンサ-トも今回で4回目を迎えました。皆様のご協力に感謝申し上げます。
 今回は会場が近江楽堂ということで、今まで登場した楽器に加え、チェンバロも加わりレパ-トリ-がバロックまで広がってきました。ア-リ-ミュ-ジック・コンサ-トは当協会会員の演奏家の方々が日頃の研鑽を積まれた発表の場でもあります。新しい発見があるかも知れません。中世からバロックまでごゆるりとご鑑賞頂ければ幸甚です。

  次回のア-リ-ミュ-ジック・コンサ-トは11月4日(月、祝)東京オペラシティ・近江楽堂にて午後2時より開催の予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
理事長 増子 昭夫
出演者と
演奏曲目:
山田 豊(中世フルート)  
佐野 さおり(オルガネット)  
斉藤 ひとみ(ゴシックハープ)

1.それは5月のこと Ce fut en mai
 モニオ・ダラス Moniot d'Arras 1213年~1239年
2.美しい花の踊り Bel fiore dança
 ギョーム・ド・マショー(?)
 (15世紀初頭編纂「ファエンツァ写本」より)
3.愛する人に会った帰りは Quant je sui mis
 ギョーム・ド・マショー
 Guillaume de Machaut 1300年頃~1377年
4.ペトローネ Petrone
 作者不詳(14世紀編纂「ロバート・ブリッジ写本」より)
5.王の第4エスタンピー La Quarte Estampie Royal
 作者不詳(「王の写本」より)

<プログラムノート>(文責 斎藤ひとみ)
1.それは5月のこと…作曲者名を直訳すると、「アラスの修道士」。聖俗の両方で単旋律の歌曲を残した。
この美しく有名な名曲では、二人の若い男女の恋が描かれている。
~ それは5月のこと、空がさざめく、うるわしい季節
わたしは早く起きて、泉のほとりで遊んだ、
野バラが咲き乱れる庭で、わたしは竪琴の音を聴き、
そこで騎士と少女が踊るのを見た(後略)

2.美しい花の踊り…15世紀に編纂されたファエンツァ写本は、最古の鍵盤楽曲集とされている。
花のワルツ、というより、花のような熟女の踊り、のような雰囲気を持っていると感じるのは私たちだけでしょうか…。オルガネットとゴシックハープで、2声部に和音を追加して演奏する。

3.愛する人に会った帰りは…中世ヨーロッパの騎士道物語に登場する男女の恋愛は、だいたい騎士が 貴婦人にささげる女性崇拝のことであった。しかし、これらの愛は報われるわけではない。
相手は既婚の貴婦人のことも多かったからである。精神的な結びつきこそが重要とされており、このような美しすぎる詩も書かれた…。中世フルートとゴシックハープで演奏。
~(前略)その高い美徳がわたしの心を溶かします
己を捨てて、誠実にあなたに仕えます
神よ!これは定めなのです 人生をかけて 彼女を愛し続けます!

4.ペトローネ…12世紀からシトー会の聖堂があったイギリス南部の町、ロバーツブリッジを由来とするロバーツブリッジ写本(現在、大英図書館に収蔵)は、14世紀のイタリアの鍵盤曲、主にオルガンのために書かれたと思われる2声のエスタンピー(舞曲)などを収めている。この曲は舞曲というより、より音楽的な技巧が凝らされた節回しや、完全5度の進行形などに特徴がある。2声部を、オルガネットとゴシックハープで掛け合い演奏する。

5.王の第4エスタンピー…フランス国立図書館に所蔵される「王の写本」は、13世紀末から14世紀初頭に編纂されたと考えられている。元は単旋律の作品であるため、主旋律以外の声部は、自分たちでアレンジ して演奏する。貴婦人たちと騎士たちが、蝋燭の炎のもと、優雅に踊る様子を思い浮かべながら耳を傾けていただければ幸いである。

ホムンクルス
牧野 克彦  河村 剛秀  小木 曽綾
使用楽器:
ハーディガーディ、バグパイプ、中世ハープ、ウード
中世フィドル、ラウシェンパイフェン


カンティガ集より
「モンセラートの朱い本」より
中山 徹(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
副島 恭子(チェンバロ)

1.無伴奏ガンバのためのレセルカーダ 第3番 Diego ORTIZ
2.Whoope doe me no Harme (マンチェスター手稿譜より) Richard Smarte
3.「幸福なわが目」によるレセルカーダ 第1番 Diego ORTIZ
4.La Rameau / La Leclair Antoine Forqueray

<曲目解説>
ディエゴ・オルティスの「変奏論」は1553年にローマで出版された。ヴィオラ・ダ・ガンバのための分割変奏の 技法書であるが、短い実例が何曲か納められている。まずはその中から、無伴奏のレセルカーダを演奏する。 疑似対位法のような効果を狙ったパッセージも見られるが、全曲を通じて単声部の曲作りがされている。
その約五十年後の音楽と見られるスマートのWhoope doe me no Harme (「もう私をいじめないで」と訳される)は、 シェークスピア劇の劇中歌としても使われたらしい有節歌曲が原曲だが、要所に和音がちりばめられ、 ガンバらしいアレンジとなっている。
再び「変奏論」に戻って、アルカデルトによるシャンソン「幸福なわが目よ」によるレセルカーダ。 チェンバロがシャンソンを四声体で弾き、ガンバがバス声部を分割変奏する。  
フォルクレ(父子)はガンバ史上最高のヴィルトゥーゾとして捉えられているが、たいそう変わった人たちだったの だろう。親子間の大変な葛藤は有名だが、1749年には息子のジャン・バティストが父アントワーヌの作品をまとめて 出版した。本日演奏する二つの小品の標題、ラモーとルクレールは言うまでもなく当時の大音楽家。

豊田 結実子(ソプラノ)
上島 剛之助(テオルボ)
1. Amor ch’attendi 愛の神よ    Giulio Caccini
2. Amarilli mia bella うるわしのアマリッリ Giulio Caccini
3. Dolcissimo sospiro 甘いため息   Giulio Caccini
4. Al fonte Al prato 森に泉に Giulio Caccini
5. L’Amante segreto 秘密の恋人 Barbara Strozzi

<曲目解説>
ジュリオ・カッチーニは、イタリアルネサンスの音楽集団カメラータの一員です。(ちなみに有名な「カッチーニのアヴェマリア」とは、全く関係がありません)モノディ形式の音楽を多く残しています。
「愛の神よ」、「森に泉に」は軽快なテンポの明るい有節歌曲です。
「うるわしのアマリッリ」は声楽を学ぶ多くの人が一番最初に取り組むマドリガーレで、よく知られている曲です。
「甘いため息」は歌詞の感情と通奏低音の結びつきが美しい曲で、カデンツの装飾が印象的です。
「秘密の恋人」は女流作曲家バルバラ・ストロッツィの曲で、「Voglio morire(死にたい)」という歌詞が繰り返し出てきます。レチタティーヴォの変化や、バスの優雅なメロディーをお楽しみ下さい。(豊田)

小嶋 友輝恵(リコーダー)
森下 柚香(チェンバロ)

1.The Division Flute より Johney Cock thy Beavor, Green Sleeves to a Ground
2.古いイギリスの巨匠の作品にもとづくアルトリコーダーとギターの為の組曲
 Bourree, Arioso, Air, Sarabande, Gigue

<曲目解説>
「The Division Flute」は18世紀初頭のイギリスで出版された曲集です。この曲集の作品はグラウンドと 繰り返し演奏される4~8小節のバスラインの上に上声が変奏(ディヴィジョン)を展開していく変奏曲の 形で作曲、編曲されています。今回はこの曲集の中からJohney Cock thy Beavor と Green Sleeves to a Ground の2曲を選ばせて頂きました。
「古いイギリスの巨匠の作品にもとづくアルトリコーダーとギターの為の組曲」は17世紀から18世紀にかけて イギリスで活躍した音楽家の作品を1つの組曲に仕上げた作品となっております。 明るいブーレで始まり、ゆっくりとしたアリオーソ、軽いエアと続きます。その後サラバンド、ジグと当時 流行った舞曲が演奏されます。それぞれの音楽家の持つ雰囲気を感じて頂ければ幸いです。

i Madrigalisti(イ・マドリガリスティ=声楽アンサンブル)
    岡本 浩美  小柴 裕子  山田 佳子  住田 朋久  立石 章  村井 信吾

1. Missa "Che fa oggi il mio sole"(私の太陽は今日何をするのだろう)より
「Kyrie」「Agnus Dei」     曲:Gregorio Allegri(1582-1652)
2. Ecco mormorar l'onde (波はささやき)
曲:Claudio Moteverdi (1567-1643)  詩:T. Tasso (1544-1595)
3. Il bianco e dolce cigno(純白で優しい白鳥)  
曲:Jacques Arcadelt(1507-1568)  詩:G.Guidiccioni(1500-1541)

<プログラムノート>
Missa "Che fa oggi il mio sole"(私の太陽は今頃何をしているだろう)はアレグリが マレンツィオの同名のマドリガーレをもとに作曲したパロディミサです。
Ecco mormorar l'onde(波はささやき)は、朝日が昇り、夜明けから目覚める自然の美しさと 詩人のタッソーが恋していたラウラへの賛美を歌う、モンテヴェルディの代表的マドリガーレの一曲です。
Il bianco e dolce cigno(純白で優しい白鳥)は、白鳥は絶命の間際にただ一度啼くという情景に 歌い手の官能的な絶頂感を重ね合わせた、マドリガーレの様式感が堪能できる名曲です。
主催:
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会



第3回以前のアーリー・ミュージック・コンサートの模様はこちら
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