Songe de Valois (ソンジュ ドゥ ヴァロワ:「ヴァロワの夢」の意)
樋口麻理子(ソプラノ)
佐野さおり(オルガネット)
渡辺マリ(ヴィエル)
多くの音楽家がブルゴーニュ地方の王家の城で活躍していたヴァロワ朝当時の作品を中心に演奏しています。
1. Dou mal qui m’a longuement 甘美な病い(Virelai ヴィルレ)
~G.de Machaut ギョーム・ド・マショー(1300頃~1377)
2. Honte, paour, doubtance 恥、恐れ、疑惑(Ballade バラード)
~G.de Machaut ギョーム・ド・マショー
3. J’atendray tant qu’il vous playra 待つことにしましょう(Rondeau ロンドー)
~G.Dufay ギョーム・デュファイ(1397~1474)
4. Qui veut mesdire 中傷したがる者には(Rondeau ロンドー)
~G.Binchois ジル・バンショワ(1400頃~1460)
5. Adieu m’amour さようなら 私の愛(Rondeau ロンドー)
~G.Dufay ギョーム・デュファイ
(歌詞大意)

Dou mal qui m’a longuement
長い間、甘美な病に 嬉しくも悩まされている私の可愛いひとよ、感謝します
Honte, paour, doubtance
恥、怖れ、悪行の疑惑 欲を抑制し 拒絶には寛容に 寄与には慎重に 道理、中庸、誠実 心に刻んで 恋には勇気をもって 名誉を守ろうとする者ならば
J’atendray tant qu’il vous playra
待つことにしましょう 私の想いを喜んでくれるまで 愛しいひとよ あなたと結ばれる時が来たとき、この苦しみは終わるのです
Adieu m’amour
さようなら、私の愛 さようなら、私の喜び さようなら、私の恋人 哀しみに涙し、息も絶え絶え死んでしまいそう あなたが遠くへ去ってしまうから
森下柚香(チェンバロ)
1.Barafostus' Dreame : anon.

2.Pakington's Pownde : anon.
3.Rosasolis : Giles Farnaby
4.The old Spagnoletta : Giles Farnaby
5.La Volta : William Byrd
6.Sellinger's Round : William Byrd
イギリスのルネサンス期ヴァージナル作品より6曲を演奏致します。これらの6曲は「Fitzwilliam Virginal Book」という、
ルネサンス期からバロック期にかけての鍵盤楽曲約300曲が収められている曲集に含まれています。
曲集は2巻編成で、1巻の冒頭にはヴァージナル音楽の資料、記譜習慣や装飾法などが書かれた論文が
掲載されています。
豊田結実子(ソプラノ)
森下柚香(チェンバロ)
1. If music be the food of love(音楽が愛の糧なら)
2. Sweeter than roses (薔薇の花よりも甘く)
3. I attempt from love’s sickness to fly(恋の病から飛び立とうとしても)

4. An Evening Hymn(夕べの讃歌)
…以上 Henry Purcell ヘンリー・パーセル(1659~1695)
バロック時代のイギリスに活躍した作曲家。36歳という短い生涯に400曲近い作品を残した。
中でも劇音楽の分野を得意とし<妖精の女王>、<ディドーとエネアス>などの傑作を残している。
i Madrigalisti (イ・マドリガリスティ=声楽アンサンブル )
Sop. 岡本浩美 小柴裕子 Alt. 沢井まみ Ten. 柳川文男 Bass.村井信吾
1. Audite nova「ニュースをお聞きください」… O.Lassus
2. Ah, dolente partita 「ああ 辛い別れ」…C.Monteverdi
3. Ride la primavera 「春は微笑み」… H.Schütz
4. O primavera 「おお 青春の季節の春よ」…C.Monteverdi
「ニュースをお聞きください」はO.ラッスス作曲で、ラテン語で教会風に歌い始まるかと思いきや、聖マルティンの祝日を口実に飲んだくれ達がワイワイとガチョウを締め上げて食っちまってやろうというドイツ語の愉快な歌です。
「ああ 辛い別れ」はC.モンテヴェルディのマドリガーレ集第4巻より、グァリーニ 作、牧歌劇「忠実な羊飼い 」からテキストを用いて、恋人の別離は死ぬほどの苦しみであると訴えています。
「春は微笑み」は、H.シュッツの作品として初めてのイタリア語で書かれたマドリガーレ集 第1巻に収められました。色彩豊かな絵画的表現の中に言葉の語感を意識した旋律と和声が巧みに織り込まれている傑作です。春が帰ってきたというのに、麗しい彼女の心はなぜ冬のごとく氷で閉ざされ、瞳は太陽の様に輝くのかと歌います。
「おお 青春の季節の春よ」はC.モンテヴェルディのマドリガーレ集第3巻から、同じく「忠実な羊飼い 」の物語を採用しています。新しい季節、春は若々しく戻ってきたが、自分はかつてのように人を魅了する事は無くなったと嘆きます。
塚原真里子(ぴんちょ)アルパドッピア Tim Hobrough作
1. コンスタンティア(作者不詳、ファエンツァ写本)
Constantia / Anonymus, Faenza codex
2. 千々の悲しみ(ジョスカン・デ・プレ)
Mille regretz / Josquin des Près (1440?–1521)
3. 花咲く日々に(クローダン・ド・セルミジ原曲、ピエール・アテニャン編)
Tant que vivray / Claudin de Sermisy (c. 1490–1562), Pierre Attaingnant (1494–1552)
4. トッカータ(作者不詳、キージ写本、17世紀前半)
Toccata / Anonymus, Chigi codex
5. 第4旋法のトッカータ(ルッツァスコ・ルッツァスキ)
Toccata del quarto tuono / Luzzascho Luzzaschi (c. 1545–1607)
6. パッサカリア(作者不詳、キージ写本、17世紀前半)
Passagalli / Anonymus, Chigi codex
<楽器について>
ガリレオ・ガリレイの父、ヴィンチェンツォ・ガリレイ(1520年頃~1591)の設計に基づいて製作されたハープです。
ピアノの白鍵に当たる弦と黒鍵に当たる弦が2列に並んでいます。ケースに入れて運んでいると、「お琴ですか」
と聞かれたり、背後からいきなり「波乗り?その大きいの、波乗り?」と声を掛けられたりして、おもしろいです。
永倉千夏子(ソプラノ)
土居喬(クラシック・ギター)
1. Flow my tears…J.Dowland

2. Vos mépris chaque jour…M.Lambert
3. Si dolce è ‘l tormento…C.Monteverdi
4. Ohimè ch’io cado…C.Monteverdi
今回の曲目は、ベルカント唱法の確立定着以前の様々な国と時代の中から選んでみた。ルネサンスの王道とも言えるJohn Dowland (1563-1626)は、ベルカント確立以前のイギリス。Claudio Monteverdi (1567-1643)は、バロックへの過渡期のイタリアで、同時にベルカントへの移行期にも当たる。絶対王政期のフランスは、ベルカントが欧州のスタンダードとなった時代に唯一イタリア式発声法を拒絶した国である。Michel Lambert (1610-1696) の “Vos mépris chaque jour”は、Monteverdiのオペラ《ポッペアの戴冠》(1642年)中の”Pur ti miro”との類似を指摘される。声楽教師としても有名、師のBacillyはフランス式歌唱法の本も残している。
岡沢道彦(リュート弾唱)
「弾唱」(だんしょう)は私の造語で「弾き語り」のことです。
どの曲も低音からソラレファラドミソと合わせる私が考案した新調弦8コース・リュートで演奏します。
1.カンティガ353番…アルフォンソ10世
中原中也 「湖上」
2.グリーンスリーヴス…イングランド民謡
島崎藤村 「初恋」
3.恋のうぐいす…クープラン
良寛の和歌四首
4.輝ける星よ…「モンセラートの朱い本」より
宮沢賢治 「雨ニモマケズ」