2011年度例会
   第46回例会:レクチャ-コンサ-ト
   「天正遣欧使節団とルネサンス音楽VI 最終回」
       (スペイン・ポルトガル・日本篇)
   ~使節団が通った道を音楽で辿るレクチャーコンサート~


最終回は、使節団がバルセロナに到着後、モンソン、マドリード、コインブラ、リスボンなどを訪れ、日本に帰国します。これらの町々に伝えられた音楽を金澤正剛氏がわかりやすく解説しました。
日時:
2011年11月18日(金)午後7時~
会場:
ル-テル市ヶ谷センタ-ホール
講師:
金澤正剛(国際基督教大学 名誉教授) 第46回例会
演奏:
S 鈴木美登里、S 櫻田智子、A 穴澤ゆう子、
T 櫻田亮、B 小笠原美敬、
R 古橋潤一、Vihu 高本一郎、
Org&Hp 能登伊津子
プログラム:
1585年8月06日  使節団、バルセロ-ナに到着。

* 話
I バルセローナでの曲
(1)ペレ・アルベルク・イ・ビラ:(ティエント第1番 第1旋法)
Pere Alberch y vila(1517~1582) : Tiento de primer tono 1
*バルセロ-ナ大聖堂オルガニスト
R,Org
(2)ファン・ブルディエウ:(サガラ、とても美しく綺麗)
Juan Brudieu(1520c~1591) : Zagala,mas linda y bella
SSAT+器楽
*「マドリガル集」を1585年にバルセロ-ナで出版。リモ-ジュ生まれ。
カタル-ニャのセオ・デ・ウルジェイの 楽長兼オルガニストとして活躍した。

1585年8月09日  使節団、バルセロ-ナを出発、モンセラ-ト修道院経由でアラゴンの小さな町モンソンに向かう。
1585年9月14日  使節団、モンソンに到着、カタリ-ナ王女とサヴォワ公爵の結婚祝典のためアラゴンに来ていたフェリ-ペ2世にモンソン離宮で謁見。
1585年9月?日  使節団、サラゴ-サに向かう。

* 話
II サラゴ-サでの曲
(3)フィリップ・ロジェ:(イスパニア国王フィリップスのためのミサ曲)
Philippe Rogier(1561c~1596) : Missa Philippus Secundus Rex Hispaniae
抜粋:キリエSATB&アニュス・デイSSATB
*フランドルのアラス生まれの音楽家。フェリ-ペ2世宮廷礼拝堂楽長(1586~1596)
(4)メルチョ-ル・ロブレ-ド:(キリストが私たちの為にお生まれになった)
Melchor Robledo(1520c~1586) : Christus natus est nobis
*サラゴ-サのセウ大聖堂で長年活躍し楽長になった音楽家。
SATB

1585年9月?日  ダロ-カ、グアダラハラ、アルカラ・デ・エナ-レスを経由しマドリ-ドに戻る。
 天正遣欧使節団が大学都市アルカラで多くの文献・楽譜を入手した可能性がある。
1585年10月  使節団、上旬にヴィラヴィソ-ザに到着。

1585年11月

 使節団、エヴォラ経由でリスボンに帰る。
1585年12月23日  使節団、大学都市コインブラに到着。
第46回例会

III コインブラでの曲
コインブラ大学図書館・写本より
(5)作曲者不詳:ファンタジア
Anonimo:Fantsia sobre un tema de cancion
Org
(6)イエペス作曲:カンサオ
Yepes:Cancao Glosas de Chanson”Je prens en Gren”
R,Org
----------------------休憩----------------------
1586年1月09日  使節団、コインブラを出発、バタ-リャ、アルコバ-サ、ナザレを経由しリスボンに帰る。
1586年4月12日  使節団、リスボン出港。
1586年5月06日 使節団、赤道通過。
第46会例会

1586年9月01日

 使節団、モザンビ-ク到着。 順風を待つ。
1587年3月15日  使節団、モザンビ-ク出港。
1587年5月29日 使節団、ゴア入港。
1587年7月24日  豊臣秀吉によるキリシタン宣教師の日本国外追放令。
1588年4月22日  使節団、ゴアを出港。1588年8月11日 使節団、マカオに到着。
1589年11月22日  ヴァリニャ-ノ「関白秀吉、インド副王使節を厚遇すべし」との報告を受ける。1590年7月29日 使節団、長崎に帰還。
1591年3月03日  ヴァリニャ-ノ、伊東マンショ等が聚楽第で関白秀吉に謁見、インド副王の書状を奉呈。伊東マンショ等四人で器楽を演奏。このとき、アルカラで頂いたクラヴォも演奏した。

* 話
IV 日本での演奏(想像)
 
(7)アントニオ・デ・カベソン:
Antonio de Cabezon(1510~66):
(騎士の歌による変奏曲)
Diferencias sobre”el ,canto liano del caballero”
*息子のエルナンドによって曲集が1578年に出版された。
Org,Dul
(パバ-ナ&ガリアルダによる変奏曲)
pavana Italiana,Diferencias sobre la Galliarda Milanesa
R,Vihu,Org
(8)ルイス・デ・ナルバ-エス:(ジョスカンの皇帝の歌、第四旋法)
Vihu
Luys de Narvaez(?~?) : La cancion del Emperador de quarto tono de Josquin

1597年2月05日  26聖人、長崎西坂で処刑される。1598年 フェリ-ペ2世逝去。

第46回例会

(9)トマス・ルイス・デ・ビクトリア:(レクイエム):
Tomas Luis de Victoria(1548~1611):Requiem
SATB
アンブロジオ・コテス:(イスパニア王フィリップスは死せり) SSATB+器楽
Ambrosio Cotes(1550c~1603) : Mortuus est Philippus Rex Hispaniae
鎮魂ミサ曲=レクイエム:入祭唱~キリエ~コテスの哀悼曲~聖体拝領唱


ビクトリアはルネサンス末期最大の教会音楽作曲家、今年が没後400年。コテスはアリカンテ出身の作曲家。1581年から1594年までグラダナの王室カピリャ楽長として活躍した。1598年フェリ-ペ2世の逝去を悼みこの曲を作曲した。


感想記:
6回シリーズありがとうございました。(1回目は聞きそびれましたが・・・)
最後のレクイエム、美しくて涙が出ました。
いろいろなことがあった2011年をしめくくるのに、ふさわしい曲でした。
(無記名)
  主催:
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
後援:
スペイン大使館     ポルトガル大使館     Instituto Camoes

   第45回例会:コンサ-ト
   「スペインの光の中のビクトリア」

   ~トマス・ルイス・デ・ビクトリア没後400年記念コンサート~
日時:
2011年8月27日(土)午後4時~


45回例会
会場:
日本基督教団東京山手教会
監修・指揮:
杉本ゆり
演奏:
Laudesi Tokyo
  合唱 Laudesi Tokyo合唱隊
  独唱 上出朝子、鏑木綾、名倉亜矢子、望月寛之
  器楽 須藤みぎわ(リコーダー)、
坪田一子(フィーデル/ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
譜久島譲(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、 岩附智之(打楽器)
曲目:
1.スペインの光の中のビクトリア
Dum Pater familias (無伴奏単旋律聖歌)-アキタニアネウマに基づく解読
O vos omnes (ビクトリア作曲、1572年 Montecta que partim, quaternis...より)
Alleluia Vocavit Ihesus (Codex Calixtinusより、単旋律聖歌)
Alleluia Vocavit Ihesus (Codex Calixtinusより、2声オルガヌム)
Oi Zabiereki (バスク聖歌、Kantikak, Abbaye N.D.de Bellocより)
San Frantses Jatsukoa (同上)
2.ビクトリアとスペイン神秘主義

Nino Dios d'amor herido (ゲレーロ作曲、ビリャンシーコ)
Vere languores nostros (ビクトリア作曲、1572年 montecta...より)
Veante (16世紀、作者不詳ビリャンシーコ、カルメル会修道院蔵)

3.ビクトリアとスペインのマリア

O virgo (Llibre vermellより、無伴奏カノン)
Virgen Madre (Cantigas de Santa Maria、340番)
Ave Maria a 4 (ビクトリア作曲、Munich, Bayerische Staatsbibliothek, Musiksammlung,
(D-brd-Mbs), Mus.Ms89より)
O Maria (バスク聖歌、同上)
~器楽~
Miragres fremo (Cantigas de Santa Maria, 37番)

4.トレドのビクトリア

トレド聖歌 (Intonarium Toletanumより)
Vexilla regis (ビクトリア作曲、合唱+器楽)
トレド聖歌 (Pange lingua)
~器楽~
Recercada quarta (オルティス作曲)
Pange lingua more Hispano (ビクトリア作曲、1581年 Hymnis Totius anii...より)
Pange lingua (Intonarium Toletanum)

5.スペイン・ヤコブ典礼とビクトリア

Regi perhennis gloria (Codex Calixtinusより単旋律聖歌)
Laus deo et gloria (Codex Calixtinusより単旋律聖歌)
O lux, et decus Hispania (ビクトリア作曲、1583年 Montecta que partim, quaternis...
より)
Congaudeant Catholici (Codex Calixtinusより3声オルガヌム)
Ad superni (Codex Calixtinusより2声オルガヌム)
Dum pater Familias (Codex Calixtinusより 杉本ゆり編)

(註)




3曲のバスク聖歌、およびビリャンシーコ Veante は杉本ゆりによる編曲
Dum pater familias のアキタニアネウマからの解読、およびCongaudeant の転写は杉本ゆりによる。
Alleluia (単旋律)は、Monumento Monodica Medii Aevi 掲載楽譜による。
2曲の2声オルガヌム Alleluia は杉本ゆりによる解読と転写。

  45回例会
感想記:
土曜日はすばらいコンサートにご招待頂きましてまことにありがとうございました。
杉本さん方の演奏ははじめて拝聴しましたが、古い音楽を研究した上で、現代的な表現をめざす、いうなれば「現代に生きる古楽」のような方向性を感じました。
品川区 男性(会員)
主催
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
後援:
スペイン大使館


9月に当コンサートのライブ録音CDを視聴覚教室のある図書館(東京文化会館音楽資料室、都立中央図書館など)に寄贈致しました


NHK-FM特集番組「黄金時代のスペイン音楽」(2011年12月31日放送)にて、当コンサートでライブ録音したゲレ-ロの作品が音源として使われました。

   第44回例会:レクチャ-コンサ-ト
   「天正遣欧使節団とルネサンス音楽V」(イタリア篇その3)
   ~使節団が通った道を音楽で辿るレクチャーコンサート~


今回は使節団がヴェネツィアを出発してヴィチェンツァに到着後、マントヴァ、クレモナ、ミラノ、そしてジェノヴァを訪れます。これらの町々に伝えられた音楽を今谷和徳氏がわかりやすく解説しました。
日時:
2011年6月3日(金)19時~
会場:
ル-テル市ヶ谷センタ-ホール
解説:
今谷和徳(慶應義塾大学講師、ルネサンス音楽史専攻)
出演:
S 鈴木美登里、S 櫻田智子、A 穴澤ゆう子、T 谷口洋介、B 小田川哲也、R 古橋潤一、
Lu 高本一郎、 Org&Hp 能登伊津子
プログラム:
1585年7月09日  使節団、ヴィチェンツァに到着。
1583年に完成したばかりののオリンピア劇場に招かれる。後に、この時の情景が壁に描かれ、今日でも我々はその壁画を目にすることが出来る。
44回例会
1585年7月13日 使節団、ヴィチェンツァを出発。ヴェロ-ナ経由でマントヴァに向かう。同日、マントヴァに到着、狩猟、花火大会で大歓迎される。

* 話
I マントヴァでの曲
(1)ジャケス・デ・ヴェルト:(このことを汝らの間にて考えよ)
Giaches de Wert (1535-1596) : Hoc enim sentite in vobis S,S,A,T,B,Lu,Org
(2)クラウディオ・メ-ルロ:(第3旋法のトッカ-タ第6番)
Claudio Merulo (1533-1604) : Terzo tuono Toccata sesta Org
(3)ジャケス・デ・ヴェルト:(美しい森)
Giaches de Wert : Vaghi boschetti S,S,A,T,B,Lu,Hp

1585年7月18日  使節団、クレモ-ナへ

* 話
II クレモ-ナでの曲
(4)クラウディオ・モンテヴェルディ:(めでたし、マリア)
Claudio Monteverdi (1567-1643) : Ave Maria S,S,A,Org
(5)クラウディオ・モンテヴェルディ:(さあ、愛らしいカンツォネッタよ)
Claudio Monteverdi : Hor Care canzonette S,S,A,R,Lu,Hp
----------------------休憩----------------------
1585年7月?日  数々の贈り物を頂戴しミラノへ向かう。  
1585年7月25日 ミラノに到着。

*話
Ⅲ ミラノでの曲
(6)チェーザレ・ネグリ:舞曲(愛の絆)
Cesare Negri (c.1535-after1604) : Catena d’Amore Lu
(7)チェ-ザレ・ネグリ:舞曲(愛の誠実)
Cesare Negri : Fedelta d’Amore R,Lu,Hp
(8)チェ-ザレ・ボルゴ:(カンツォ-ナ“ラ・カリガ-ラ”)
Cesare Borgo(d 1623) :Canzona la Caligara R,Org
(9)ジュリオ・チェ-ザレ・ガブッシ:(笑いは代わる代わるだ)
Giulio Cesare Gabussi (c 1555/58-1611) : Sono i risi a vicenda S,S,A,T,B,Lu,Hp

1585年8月03日 使節団、パヴィア経由でジェノヴァへ向かう。  
1585年8月06日  使節団、ジェノヴァに到着。

*話


1585年8月08日 使節団、ジェノヴァを出帆し、バルセロ-ナへ向かう。
次回、最終回へ

終わり
感想記:
初めてこのレクチャーコンサートを観ましたが、コンセプトがおもしろいと思った。
普段、きかないような曲だったので新鮮でした。
(無記名)
44回例会
主催
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会
後援:
イタリア文化会館

   第43回例会:セミナ-&ミニコンサ-ト
   「中世・ルネサンスの社会と音楽IX」
   ~ハプスブルク家の宮廷音楽活動~

音楽家が音楽を自由に表現できるようになったのは、19世紀になってからですが、中世からルネサンスの時代では、音楽家は社会の要求に従い、その枠内で自己の内面を表に現していました。それ故に中世・ルネサンス時代の音楽を理解するには、当時の社会がどのようなものであったかを知る必要があります。社会の動きが理解できれば、社会の要請によって生まれた音楽の意味も明らかになると思います。そこで当協会では、今谷先生著「中世・ルネサンスの社会と音楽」(新版)(音楽之友社刊)をベースにCDを聴きながら中世・ルネサンス音楽がヨーロッパ全土に花開いてゆく様を、社会との関わりから立体的に探求していきたいと企画しました。
日時:
2011年4月23日(土)午後2時~
第43回例会

第43回例会
会場:
ル-テル市ヶ谷センタ-会議室
講師:
今谷和徳(慶應義塾大学講師、ルネサンス音楽史専攻)
ミニコンサート:
梯 孝則氏(ヴィオラ)
 
感想記
本日のルネッサンス音楽の御講義、有意義でした。
大変楽しく聴かせて戴きまして、ありがとうございました。
チェロ組曲 バッハ 素晴らしい演奏で感激しました。
弦の柔らかい響きはとても印象的でした。
ありがとうございました。
(埼玉県 男性)
主催:
特定非営利活動法人日本ルネサンス音楽普及協会


2010年以前のコンサート・セミナーの模様はこちら

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